栽培記録
パキプスを水耕管理で発根させる
はじめに
この世には「絶対に」手を出してはいけないものが三つ存在する。
オッソロシイゼ...
現地球がなにかわからない人のために説明すると、現地球というのは現地から採取された株のことを指します。
現・地球ではなく、現地・球なので注意。
また、「ベアルート株」というのは根もなくそのまま引っこ抜かれて到着した株のことを指します。
つまり、現地球というのは現地……今回の場合マダガスカルで何十年と育った生命というわけです。枯らすわけにはいかないのです。
しかもこれ、一株数万円するのが当たり前で、発根率は大体2割程度で、気づいたころには大金を失っているなんてザラに……。
普通に発根済みを買った方が賢明?
でもロマンを求めるのが生きがいってもんですから。
ということで今回は、私が発根させたパキプスがどんな管理だったのかという忘備録です。
まだ一株しか発根させていませんが、これからやってみたい方の参考になれば幸いです。
パキプスの発根管理とは
オペルクリカリア・パキプスの現地球の発根は非常に困難と言われています。
大体3割ほど発根すればいい方と言われており(知らんけど)、根が出るまでに腐り始めることが多いのです。
さらに、温室や管理する努力、色々な要因を総動員して初めて出来るものですので、非常に難しいのです。
パキプスの発根のさせ方
先に結論を述べます。
色々な場所ですでに言われていることですが、「鮮度」がいいことがパキプスにとって最も大切な事であると言えます。
なぜなら、鮮度が良ければ腐りが進行する前に発根してくれるからです。
必ず発根するとは言い切れませんが、新鮮な株の方が発根率は高いと考えられます。
では、どのような株を選ぶのがいいのでしょうか。
まだ一週間前に購入した一株しか成功していませんが、私の思うパキプスの選び方を重要度順に書き連ねます。
- 株に対して重みがある
- 断面が白~黄土色で、黒い部分がない
- 縦皺の入った枝が少ない
- 幹に緑色の部分がある
- 幹に樹液が出たり黒くなった部分がない
- 葉っぱが付いている
- 水耕管理中に水が着色しない
この点に関しては、実際にお店で買うのをオススメします!!
パキプスを抜き苗で並べている店でかつ鮮度がいい店などかなり限られてはきますが、ネットで購入するとやはり細部まで見れない。
しかも!!実際にパキプスをお店で触るとわかりますが、
「ボクを迎えて」
って、まるで捨てられた子猫のようにパキプスの方から寄り付いてくるのです。
実際に私が発根管理を成功させたのはお店で買ったパキプスで、一年前にネットで買ったパキプスは見事腐りました。(その時は土耕でやりました)
モノによって葉っぱが付いているものとついていないものがありますが、発根の度合いに直接的に関係するものではないと感じました。
私の場合環境変化のストレスで一旦落ちて、再度芽吹く形になりました。
しかし、枝が生きている証明にはなるのであるに越したことはないと感じます。
パラパラと落ちれば環境変化のストレスだと考えられます。
逆にパラパラと落ちなかったら枝に異常があるかもしれないので切って確認した方がいいのかも。
発根までの軌跡
1. 株の確認 3/24
適度に重みがあり、断面が綺麗で、芽吹きが確認できる株を購入。
四万円しないくらいという比較的低価格で購入出来て嬉しかった。
えーと、パキプスに言われたんです。
「ボク、お兄さんと一緒なら頑張れるよ」って。
よくわかんないですよね。
私もわかりませんが、あの日あの時忘れられないあの日、僕とパキプスは「共鳴」したのです。
あの手に持った時に感じた温もり、今度は僕が温めてあげる番だ。
2. 管理環境の構築 3/24
ホームセンターの安い温室に、サーモスタットとヒーターを導入しました。
パキプスは完全に水耕で管理し、メネデールなどを少し入れてみました。
100均の瓶を使用し、暗い方が発根するかなと思い、テープで遮光しました。
水は一日に二回変えています。
温度はサーモスタットの先を水耕の瓶に刺して、最低31℃最高34℃をキープしました。
3. パキプスの準備 3/25
一日水に漬け込み水を吸わせた後は、下準備に入ります。
オキシベロンがなかったので、一旦温室の中で半日だけ乾かしました。
断面が少し乾燥しているが細胞が死んでいない。その程度ですね。
その状態でベンレートを塗し、少し乾かす。
その後ルートンを塗り、また少し乾かす。
そして、枝を切ります。
とんでもなく鮮度のいい株だったので腐った枝はありませんでしたが、確実に枯れているなという枝はもう全部落としました。
4. 発根しました 3/30
ちょっと、さすがにびっくりしたのですが一週間たたずに発根してしまいました。
根は切った断面ではなく横からあからさまに白い部分が伸びてきました。
パワータンク部分ではなく主根でしたので、やはり主根が大事なのかもわかりません。
また、このタイミングで芽吹きが始まり、生きている枝全てから緑の新芽が確認できました。
あまりにも異常なほど順調すぎる発根管理……。
もうな、お前な、一生可愛がってあげるからな??
これまでぬめりもなく、断面も綺麗なまま、水耕管理の水も一日二回換えているおかげか一切濁りませんでした。
私の愛がパキ子に伝わったのはもちろんだと思いますが、それ以上にやはり鮮度がモノを言う代物だと感じました。
もし発根管理をしていきたいと思っている人がいるなら、やっぱり多少高くても鮮度のよさそうなもの、もしくは店舗で購入することをお勧めします。
ちなみに、水はちょっと臭かったです。
臭うこと=腐っている、というわけではないと私は考えます!
絶対発根しないわけではないので、あきらめないで!
発根からその後
この株はその後、土耕への移行にも成功しました。
発根したばかりの根は非常に繊細で、水耕から土へ移した直後は何度も不安になります。
葉が止まるたびに焦り、少し萎むたびに鉢を持ち上げて確認したくなる。
それでも少しずつ根は伸び、枝は充実し、新芽も安定して展開するようになりました。
今振り返ると、発根管理のテクニック以上に重要だったのは株の鮮度だったと思います。
温度管理や薬剤ももちろん大切ですが、状態の良い株を選べたことが最大の勝因だったのでしょう。
発根率二割、三割と言われる世界ですが、実際に成功してみると不思議なもので、
「あの時買ってよかったな」
という気持ちしか残りません。
発根したパキプスは今も生きています。
そしてたぶん、これからも可愛がり続けると思います。
以上








